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県民投票について

 「辺野古新基地建設のための賛否を問う県民投票条例案」が県議会において可決され、新聞報道によると県は来年1月下旬の実施にむけて調整を始めているということである。
 しかし、この条例が可決した時点で石垣市議会は条例案に反対する意見書を可決し、宜野湾市やうるま市、糸満市の保守系市長が、県から移譲される投票事務についての態度を保留しているとのことで、県内全市町村で実施されるかどうかは見通せない。
 県民投票条例について政府関係者は「知事選の結果が県民総意といいながらまた県民投票をする。屋上屋を架すようなものだ」と述べており、石垣市の中山市長は「知事選で大差の結果が出て、ある一定の民意は出た」として、県民投票の実施の必要性を疑問視している。
 また、この条例が「賛成」反対」の2択を問うとの内容について「歴史的経緯や政治的情勢を鑑みると、単に白黒で判断できるものではない」、「普天間の危険性を考えると白黒はっきり言えない人もいるのではないか」と指摘する声もあるという。

 しかし、なぜ多額の公費を充ててまで県民投票をするのか、なぜ10万筆を超えるほどの署名が集まったのか、を振り返って考えた場合、今回の県民投票の意義・目的というのが見えてくるのではないか。
これまで、辺野古新基地建設について県民の民意は数多く示されてきた。
 約20年前の名護市民投票をはじめ、4年前には、名護市長選挙、名護市議会議員選挙、県知事選挙、衆議院議員選挙すべてで辺野古新基地建設に反対する側が当選、あるいは多数派を占めてきたにもかかわらず、政府は「選挙の争点はさまざま」として一顧だにせず、新基地建設が強引に進められてきた。さらには司法でも「新基地建設と負担軽減を求める民意の両者が・・・民意がいかなるものかは明らかではない」との判断が出た。そんな中で「明確に民意を示そう」と若者たちが立ち上がり、新基地建設の賛否を問う県民投票条例の制定のため署名集めに奔走したのが今回成立した条例ではないのか。
 石垣市長たちが述べたように「選挙の結果で民意は出た」との認識で政府が対応すればわざわざ県民投票を行う必要はなかったし、「選挙の争点はさまざま」として正面から向き合わない姿勢に終始したから「賛成」「反対」の2択にせざるを得なかったのではないか。
 また、政府は常に「宜野湾飛行場の危険性除去が最優先」だというが、宜野湾飛行場の危険性除去は辺野古新基地建設を条件にすべきではない。宜野湾市民をはじめ基地の周辺住民の安全を速やかに確保するのは当然のことで、辺野古に基地ができようができまいが即刻除去すべきであることは言うまでもない。

 県民投票条例は法に則って手続きを踏み10万人近い賛同者を得て成立した条例であり、県民投票によって自らの意思を示すのは民主主義の原点であり住民の権利である。
 その権利が奪われることの無いよう県内全市町村で県民投票が実施され、明確な民意が示されることを期待する。

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