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宮古島市議会”異常事態”

 2019年3月28日の宮古島市議会3月定例会。共産党の上里樹議員が一般質問で、3月上旬に陸自に配備されるトラック約50台が陸揚げされた際に市港湾課の職員が警察を伴って抗議行動を行う市民を排除したことを踏まえ、「市役所はなぜ市民を罪人扱いし排除したのか」旨質したのに対し、下地敏彦宮古島市長は「市職員は市民を罪人扱いはしていない」として市職員の名誉のために謝罪と撤回を求めた。上里議員がその要求を拒否すると市長は議長を無視して職員を促し議場から退場しようとした。その後与党が休憩を求めて休憩に入り、そのままその日は流会となった。
 翌29日の地元紙に、記者が市長に議場から退席しようとした動きに疑問を呈したところ「引き上げるつもりはなかった。パフォーマンス」とコメントしたとの記事が掲載された。
 私たち野党は「議会軽視も甚だしい」として早速決議案を作成し各議員へ配布。動議を提出したが反対多数で日程に追加されなかった。当日は新聞に目を通していない議員もいて調整する時間が不足していたことは否めない。
 ただ、この市長の言動やコメントは議会として看過できないことだとして議長にも要請した。
 このままでは二元代表制の一翼を担うべき議会の機能が宮古島市議会からなくなるのではないかと危惧するところである。
 早速市民から「市議会の在り方を問う」新聞投稿もあった。
 私たち議会も「市議会の在り方」を市民と一緒に考えるときではないか。

下地敏彦市長に謝罪を求める決議(案)

 3月27日、宮古島市議会において上里樹議員が一般質問で「市役所は市民を罪人扱いした」旨の発言を行ったことに対し、下地敏彦市長は「発言の撤回と謝罪をしなければ答弁しない。我々は退場する」旨の発言を行い、議長を無視して職員を促して退場しようとした。その後、議長や周りに制止され退場までには至らなかった。
 その後休憩となったが、その際にも「議運を開いて対応しろ」旨の発言を行った。
 このことにより議会は混乱し結局当日の議会は再開されず流会した。
 この一連の行為、発言は、議員の質問権に対する侵害、行政の議会に対する不当介入であり、このことだけでも議会として看過できないものである。
 しかしながら、その後のマスコミの取材に対し「引き上げるつもりはなかった。パフォーマンス」と言い放った。
 市長は議会をなんと心得ているのか。議会に不当介入して混乱させ、議員の権利を侵害しながら、そのことを「パフォーマンス」と言い放つ、議会を見下した発言を宮古島市議会としては決して許すことはできない。
 宮古島市議会は宮古島市議会基本条例で謳っているように二元代表制のもとで市長の事務執行を監視する役割を担っており、市長の下部組織ではない。
 市長の今回の「パフォーマンス」発言には満身の怒りをもって抗議し謝罪を求めるものである。 以上、決議する。
平成31年(2019年)3月29日 沖縄県宮古島市議会

宛先
宮古島市長

提出者議員 國 仲 昌 二
賛成者議員 上 里  樹 
賛成者議員 友 利 光 德
賛成者議員 
賛成者議員 島 尻  誠 


議長要請

市長の市議会3月定例会での言動に対する市議会としての対応について

 みだしにことについては、3月29日の3月定例会最終日に別添の決議内容のとおり5議員連名で動議を提出いたしましたが、各議員との調整時間不足で残念ながら否決されました。
 しかしながら、3月定例会における議場での市長の言動及びマスコミへのコメントはあまりにも議会を軽視しており、宮古島市議会として看過できるものではないと考えます。
 宮古島市議会は宮古島市議会基本条例で謳っているように二元代表制のもとで市長の事務執行を監視する役割を担っており、市長の下部組織、追認機関ではありません。
 したがいまして、議会の権威と名誉のため、議長を先頭に宮古島市議会として下地敏彦市長への何らかの対応をすることはが必要であると考えます。
 よって議会全体で検討していただけるよう要請します。

【新聞投稿】宮古島市議会のあり方を問う

市議会の浄化をもとめる会代表 岸本 邦弘

 3月27日、市の3月定例議会が流会となる異常事態が起きた。事の発端は、上里樹議員の「市役所はなぜ、市民の不安に答えず市民を罪人扱いして排除させたのか」の質問である。この発言が議会の混乱を招いたとして、佐久本議長は、議長職権により「罪人扱い」の文言を取り消した。また与党議員12名は、上里議員に対し懲罰特別委員会を設置した。
 市議会が、ここまで混乱したのは何故なのか。ここで一市民の目をもって検証してみたい。
 まず、上里議員の発言の「市民を罪人扱いしている」とのくだりである。彼は後日の説明で、警察の介入が市のとるべき姿として正しかったどうかを問うたと言った。
 一般的に私たちが、警察を要請する場合、第一に犯罪性があるかどうかということだ。そう考えると、平良港で約100台余りの陸自車両の搬入に抗議する市民の行動が、犯罪行為にあたると判断されたからこそ、市は警察を要請したと理解すべきである。上里議員が現場に駆け付けたとき、すでに警察が待機していた。であればその現場をみた上里議員が「市民を罪人扱いしたか」という発言は、議会を中断させるまでに至る発言ではないと理解する。だからこそ議会事務局も事前に通告した上里議員のその質問内容を認めている。自由な質問をし、活発な議論を戦わせより良い市政を造っていくのが議会の本来の姿である。
 その意味において、今回の事態で真っ先に責任を問われるべきは市政のトップである市長と考える。市長は上里議員の問いに対し十分な説明をしただろうか。上里議員の質問のさなか、自ら席を立ち、幹部職員にも席を立つように促し、そして驚くことに、議長の許可なく、議場を出ていこうとしたのだ。
 次に佐久本議長の議会進行のあり方も責任を問われなければならない。なぜ市長が議事を勝手に止め、座ったままで上里議員に謝罪を要求し、従わないなら議場を退出するという一連の言動を厳しく注意しなかったのか。上里議員の発言よりも論ずべきは、この場面に起きたことではないのか。議場において、市長も議員も進行役である議長に敬意をもって従わなければならないのは基本中の基本である。
 市長は、後日のインタビューで「議場を出ようとしたのはパフォーマンスだよ」と、いとも簡単に言ってのけた。そのことが大問題とならないのはなぜか。
 地方自治体では、市長と議会議員は市民が直接選挙で選ぶ制度をとっている。これを二元代表制と言い、市長と議会議員は相互にけん制と均衡によって適度な緊張関係を保ち続けることが求められる。すなわち、市議会は、議員が市当局の行政運営や市長の考えをチェックする場である。したがってチェックを受ける側の市長が、質問に不満、要求に応じないからと席を立ち、議事を止めようとする行為は、議会への介入と批判されても仕方ない行為である。
 そして、自ら議会の秩序を乱していながら、翌日には、あれはパフォーマンスだったと釈明する市長の言動に厳しく抗議するのが議会の正常なすがたである。このような市長のとった行動に抗議することなく、上里議員の言葉の一部を取り上げ、こともあろうか懲罰特別員会を設置するなど、この議会はだれのためのものかを問いたい。
 昨年12月の議会中に飲酒運転をして道路交通違反で検挙された砂川辰夫議員に対しては、懲罰特別員会の設置もなく、3か月も現職のままでいる。また3月28日砂川議員の議員辞職勧告決議を行ったが8名もの議員が反対した。そして、それらの反対議員のうち4名が上里議員の懲罰委員会に名を連ねている。罪を犯した議員は守り、市長の議会軽視行動を放置し、市長に不都合な質問した議員を懲罰する議会では、議会としての本来の機能をはたしているとはいえない。
 今回の市議会流会は、議会がだれのために、何のためにあるかを市長と議員、そして両者を選んだ市民は真剣に考えねばならない重大な問題である。議会が市民目線で行われていない現状に対し、議会浄化のために今こそ市民が声をあげ立ち上がらなければならない。

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