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【新聞投稿】市議会9月定例会で指摘した宮古島市の財政問題

 私は宮古島市の財政状況について非常に危機感を募らせている。
 まず、今年度の当初予算編成で約13億円もの財源不足が生じたことである。
 去る3月議会でも指摘したが、私の試算では合併後の普通交付税の上乗せ分(合併算定替え)が合併時から平成30年度の12年間で累計約335億円加算されており、また職員数の削減による人件費の縮減額が累計で約122億円となり、この2件だけで約477億円の黒字要素が生じている。財政調整基金(個人で言えば貯金)の積立額が100億円を超えたというが、それ以外の黒字要素はどこに行ったのか不思議でならない。
 さて、この13億円の財源不足額の要因は何なのか、私なりに前年度の予算や決算と比較してみたところ、歳入(1年間を通した収入)で普通交付税が約5億円の減。歳出(1年間を通した支出)で元利償還金(借金返済)が約4億円の増となり、この2件だけで普通交付税以外の収入(財源)を9億円増やす必要が生じることになる。しかしほかの財源が探せない場合に財源不足に陥ることになるので13億円の財源不足の主な要素はこの2件の9億円であると推察される。
 普通交付税は前述したように合併後の合併算定替えにより年間25~30億円程度加算されてきたが、平成28年度からはこの特例が終了して来年度までの5年間徐々に減額されることになっている。それが予算ベース(予算書での比較)の約5億円の減額であり、来年度も引き続き減額が見込まれている。
 元利償還金の増も、近年の大型公共事業の借金返済が据置期間(利子だけ支払う)を終了し元金償還が始まったことで膨れ上がっていると思われるが、これもさらに増えていくはずで、来年度の財源不足は避けられないどころか増えることになる。

 もうひとつの懸念は平成30年度決算で単年度収支が約5億円の赤字となったことである。
 市の決算というのは実質収支(累積収支)で黒字、赤字を判断するが、宮古島市の場合、合併後の様々な優遇措置等で財政に比較的余裕が生まれ、毎年度黒字を積み重ねてきており平成29年度末で約21億円の黒字となっている。しかし平成30年度の単年度収支で赤字が生じたため累積黒字額が約16億円まで減った。前述したように合併算定替えの段階的減額により普通交付税は平成30年度決算では前年度と比較して約7億円の減となっており、当局は「今年度もさらに約7億円の減が見込まれる」「単年度収支はマイナスとなる見込み」と答弁している。単純に計算したら今年度の単年度赤字額5億円に加えさらに普通交付税の7億円の減となると12億円の赤字となり、今年度決算の実質収支は約16億円から約4億円まで減ることになる。
 さらに予算規模(歳出)は、社会保障経費や公債費の伸び、公共施設等の老朽化による更新費用の増加などでしばらく縮小できないと答弁していることから赤字額の膨張は避けられないのではないか。
多額の事業費を要する大型公共施設を立て続けに建設し、現在でも100億円を超える総合庁舎や約35億円の事業費が明らかになった伊良部野球場が建設中であり、さらには総合体育館や上水道施設やし尿処理施設、総合博物館も建設するという。また給食費の全額負担も検討するとのこと。
 一体財源はどこにあるというのか。
 市民も議会も宮古島市の財政を注視する必要がある。

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